https://youtu.be/OxVBI02YZE8?t=2922
芽衣:本題に戻りましょう。この全ては聖痕計画と関係があると言ったわよね…… ワタリガラス:灰蛇が言うには──「今、殺伐とした祭祀が優しい夢の世界となった」。 芽衣:じゃあ、さっきの老人は…… ワタリガラス:彼はすでに自信が作ったこの夢と、何の隔たりもない状態になってる。一体化したんだ。 これも、一つの人生の存在の仕方だろ? もう一人の灰蛇がよく口にしていた言葉、「楼閣は空中に立てるべき、土台はその下に置くことが前提だが」のようにな。 芽衣:それって、ヨルムンガンドはメビウスが残した道を元にして「人類を再定義するつもりってことよね。 ワタリガラス:そうとも言える。今の聖痕計画では「旧人類」は夢という形で徐々に繋がり、最終的に「新人類」の聖痕となる。 芽衣:人を……聖痕にするの? ワタリガラス:その技術は私もよく分からないが、一つだけ確かなことがある。人は己の夢に消え、現実と幻が入れ替わる。精神は物質となり、物質は精神となる。 「普通の者たちが全部消えた後、ヨルムンガンドはそれを新人類に適した世界に改造する。崩壊エネルギーはあらゆる者の中で自由に流れ、律者は現れない。」 ──さっきと同じように、これも灰蛇の言葉だ。子供への脅し文句としても使えそうだな? 私の理解で言えば…… まるで、もう一つの「古の楽園」みたいだ。
灰蛇:人類の夢を全て集中させると、巨人を手に入れられる。その姿は一つの星のようで、砂漠の知者からは「アダム・ルゥハーニー」と呼ばれている── 君のよく知っている言葉で説明すると、「精神のアダム」というものだ。 アダム・ルゥハーニーは天使だが、他の天使との距離はとても遠く……その距離は凡人からは「時間」と呼ばれている。遅れてきた永久、常識で超えられない堀。 人はアダム・ルゥハーニーを己の夢の産物として考えるが、巧者にとっては人も同じだ。我々の寝言のように、その言葉に現在と過去はなく、全ては未来にある。 死なず、人のように思考せず、ましてや子孫を残すこともない……アダム・ルゥハーニーは人の世界と神の世界を繋ぐ梯として、永遠にそこにいる。 そう、それが聖痕計画の真の意味だ。 殺伐としたものでも、幻想的なものでも、肉体的でも、精神的でも──それはあくまで手段であり、目的ではない。 計画の本質は、自分を救えないものたちをきつく縛り付ける一本の鎖だ。彼らを波に渡すのも、手を差し伸べるのも、我々にとっては容易いこと。 今、彼らにとってこういった援助は盛大な夢だ──夢の中で、彼らはアダムとなり、天使となる。 彼らにとって現実世界は意味を失い、永遠の夢こそ、唯一の真実となる。彼らはもう「時間」で考えることはない…… 彼らの夢は繋がり合い、共に「終焉」を超える本当の奇跡を築く。
芽衣:一つの夢をもう一つの夢に繋ぐことで? ワタリガラス:想像できないだろ? ちなみに──これはまだ「計画」の全貌じゃない。